続・半月板損傷+変形性関節症のお話


以前に関節の軟骨内には本来は神経も血管も存在しない。

従って半月板などを叩いても、割れても、擦り減っても、軟骨だけの傷害であれば痛みは生じないはず。  というお話をしました。



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それだけでは少し説明が少なく、何故痛みが出るのかという説明も少なかったかなと思いますので追記しておきます。


半月板損傷や変形性膝関節症と診断された方からお話を聞くとほとんどの方が「膝が痛いと思ったら半月板が割れとったんよ」  「膝の軟骨が擦れ減ってもうほとんど無いんやと」
といった風に私に説明してくれます。


もちろん間違いではありません。 ですが直接的な痛みの原因はそれですか?という事です。


整形外科の先生方の説明をまとめた情報を見ると、軟骨単独で痛みを感じる事は無い。という意見がやはり多いですね。

では何故痛むのかというお話。


まず一つ目が、軟骨が擦り減ると、遊離した軟骨磨耗片が、関節包という関節を包む袋の滑膜に取り込まれて炎症を生じる。炎症を起こした滑膜内には知覚神経があり、炎症により過敏となっているため、通常では痛みを生じない動作でも疼痛を生じる。このような事から変形性関節症の痛みは滑膜から生じると考える。

膝の屈伸などの動作時に感じる痛みの一部は滑膜から生じるものもあるんだろうなと私も思います。


ですが、立っている時や、膝を軽く曲げて体重をかけただけで生じる痛みはどうでしょう?


体重が直接にかかる場所に滑膜は存在しないのに荷重時に起こる痛みが滑膜に由来すると言えるのかという疑問があります。


その次にいきます。

論文をまとめた情報を見ると

変形性膝関節症の方の手術などにより採取した組織標本の調査において、約半数の方の軟骨下骨から軟骨内への知覚神経と血管の侵入を認めた。神経が単独で軟骨内に侵入することはなく、必ず、血管の侵入に伴っていた。血管の軟骨内侵入が神経侵入を誘導する。

この説明や他の説明は少し複雑で難しいので簡単に言うと

割れたり壊れたりチビれたりした膝の軟骨の修復をしようとして血管が軟骨自体に入り、そこに一緒に神経組織も一緒に入り込んだ。(身体が治るのに血液は必須)という事ですね。

だからそこで軟骨が痛む可能性もあるんじゃないか?  ということです。

これも多くの報告がある事から実際にあるのかなと思います。


変形性関節症では

・関節軟骨に侵入した神経

・半月板に侵入した神経

・炎症を起こした滑膜の神経


が痛みを感じさせているんではないかということですね。


血管や神経の侵入は組織修復の為に必要な現象かと思われますし、組織修復がある程度なされれば、不要となった血管や神経も退縮して痛みがなくなっていくはずです。


ですが、『今のところ』その様な事が書いてある論文は無いそうなので根拠はありません。

でもこれは身体の組織が回復していく根本的なところではあるので、実際にあるだろうと私は思いますし日々施術をしていて感じます。


組織修復を促進させる方法をみつける事(物療、運動療法)痛みという警告を無視して局所に負担をかけることが無い様(安静、休息)にする事が重要であると思っています。

きうち自然形体院

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